植松被告、「しゃべれるか」で殺害判断　相模原殺傷・第２回公判

　相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で２０１６年７月、入所者ら４５人が殺傷された事件の生々しい状況が１０日、横浜地裁の裁判員裁判第２回公判で明らかにされた。殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告（２９）は、夜勤職員を拘束して連れ回し、入所者一人一人について「しゃべれるか」を尋ね、刺すかどうか決めていた。複数の入所者が外部への通報に貢献したことも分かった。検察側が読み上げた職員６人の供述調書から判明した。　植松被告は８日の初公判中、右手小指をかみ切ろうとしたとして退廷させられた。１０日は両手に鍋つかみのような白い手袋をはめて出廷。青沼潔裁判長が裁判員の入廷前に「初公判のような行動で法廷の秩序を乱すことがあれば、退廷を命じることがある」と注意すると、小さな声で「申し訳ないです」と答えた。　調書によると、途中から被告の意図を知った職員が入所者について「しゃべれる」と答えるようになると、被告は自分で判断して襲撃する人を決定。「こいつらは生きていてもしょうがない」と言っていた。　検察側は、４５人の被害状況も説明。刺し傷の深さが２０センチ近くの人がいたり、抵抗した際にできる防御創がある人が複数いたりしたことが判明した。防御創が手を貫通している人もいた。死因の多くは首を刺されたことによるものだった。