ロッテ創業者で千葉ロッテマリーンズオーナーの重光武雄氏が死去…９８歳老衰

死去した重光武雄氏【拡大】 　日本、韓国にまたがるロッテグループを創業したロッテホールディングス（ＨＤ）名誉会長、重光武雄（しげみつ・たけお、本名・辛格浩＝シン・ギョクホ）氏が１９日午後４時半（日本時間同）頃、老衰のためソウル市内の病院で死去した。９８歳。同グループが発表した。葬儀はソウルで行われ、後日、日本でもお別れの会を開く予定。　１９２１年、韓国南東部・蔚山市生まれ。４０年代前半に日本へ渡った。終戦後に東京で化粧品の製造に乗りだし、稼いだ資金で４８年に製菓会社のロッテを設立。ファストフードのロッテリアなど多数の事業を起こした。　日本で築いた資金を元手に、６７年に韓国へ進出。製菓や百貨店のほかホテルやアミューズメントパークのロッテワールドなどの観光業も成功。一代で有力財閥を築き、日韓の政財界に影響力を持った。プロ野球界にも乗り出し、７２年からロッテオリオンズと後身の千葉ロッテマリーンズのオーナーを務めた。　日本では２００９年にロッテＨＤ社長から会長に就き、経営の一線から退いた。１５年から名誉会長だった。だが、後継を巡って一族の対立が激化し法廷闘争に。長男・宏之氏と武雄氏側は、韓国ロッテを率いる次男・昭夫氏側に敗れた。　自身は１９年１０月、グループの不正経営に絡む事件で、韓国最高裁で懲役３年の実刑判決が確定。健康上の理由で収監されなかった。今月１８日に体調が悪化し、最期は家族が一堂に会してみとったという。