小池百合子氏が３５０万票超で圧勝再選！手腕問われるコロナ、東京五輪対応

再選を果たした小池氏は、記者会見で笑顔をみせた＝５日午後、東京都新宿区（撮影・桐山弘太）【拡大】

　過去最多２２人が立候補した東京都知事選は５日、投開票され、現職の小池百合子氏（６７）が元日弁連会長の宇都宮健児氏（７３）、れいわ新選組代表の山本太郎氏（４５）、元熊本県副知事の小野泰輔氏（４６）らを破り再選を果たした。得票数は３５０万票を超え、前回の約２９１万票を上回る圧勝だったが、感染再拡大中の新型コロナウイルス対策や来夏に延期された東京五輪・パラリンピック対応など課題が山積、新たな４年間のかじ取り役として手腕が問われる。　午後８時ジャスト。投票終了時刻になったとたん、ＮＨＫが小池氏当選確実の速報を流した。　「普通だとこういうときは万歳するが、コロナ禍の真っただ中。万歳という気持ちにはなりにくい。これからも緊張感をもってコロナにしっかりと対応していきたい」　白ジャケットに黄緑色と白のしまのカットソー姿で、神妙な面持ちで話した。選挙事務所内は静かなまま。「３密」回避のため支持者らの姿はなく万歳三唱など当選につきものの儀式もなかった。　異例の選挙戦だった。争点も新型コロナ感染防止対策が筆頭。小池氏は感染拡大第２波に備えた米疾病対策センター（ＣＤＣ）の東京版創設などを公約に掲げた。当選直後にオンラインで行った支持者へのあいさつなどで何度もこれに触れた。　「第２波に備える意味でも重要な時期。コロナ対策にはしっかり取り組む。そのためにＣＤＣを設立していきたい」　こうした公約は有権者に直接響きにくい。そのため「感染拡大につながる密を避ける」として街頭演説は行わず、公務でコロナ対策に取り組む姿がメディアで流れることで有権者に浸透を図る戦術をとり、成功した。　“巣ごもり”選挙活動では、ＳＮＳを通じた動画配信やオンライン会議アプリを利用しての有権者との対話などに注力。ただ、動画の再生回数が他候補の半分以下と大きく見劣りした。　延期されている東京五輪・パラリンピックも、もう一つの争点となり、小池氏は簡素化を公約に掲げた。当選直後の共同インタビューでは「アスリートや子供たちにとっても大きな希望。かなうようにしっかり進めていきたい」と話し、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）との連携を強調した。　ただ具体的な削減方法については、開会式や閉会式などを挙げながらも「（ＩＯＣなどと）これから詰めていく形になる」と述べるにとどまった。数千億円とされる追加費用は避けて通れない課題で、ＩＯＣや国との押し付け合いが本格化する。そして財源をどう工面するか。調整力、政治力が問われる。