目黒区議会で須藤甚一郎さんの追悼セレモニー

須藤甚一郎さんの遺影を持ち、サンケイスポーツの取材に応じた長男、健太郎氏＝東京・目黒区【拡大】

　多臓器不全のため先月１１日に死去した東京・目黒区議で、芸能リポーターとしても活躍した須藤甚一郎さん（享年８１）の追悼セレモニーが７日、目黒区の９月定例議会初日の冒頭で行われ、出席議員が全員で黙祷（もくとう）するなど哀悼の意をささげた。　同僚のたぞえ麻友議員が代表して追悼のあいさつ。通算約２０年にわたって区議を務めた須藤さんの功績を振り返りつつ「２０１１年からはＹｏｕＴｕｂｅを使い、政治家ＹｏｕＴｕｂｅｒの先駆けになった。六法全書や国語辞典を読み込み、一貫して法と言葉を大事に、これはおかしいと思ったことは正々堂々と議論を持ちかける人でした」としのんだ。　さらに「仲間思いで、議員同士も切磋琢磨（せっさたくま）しようという姿勢を持つ懐の深い人でした。得意の漫談から入る質問ややじも忘れません」と懐かしみ、最後は「これ以上話すと『だらだらしゃべんじゃないよ』とお叱りを受けそうなので、この辺にしておきます」とユーモアをまじえながら、涙でしめくくった。　傍聴席には長男で外資系太陽光パネルメーカーの日本支社副社長、須藤健太郎さん（５０）が遺影を持って見守った。区長からはこの日、長年にわたり甚一郎さんが区政に貢献したことへの表彰状が手渡された。　目黒区議（定数３６）は須藤さんの死去で欠員２だが現時点で補欠選挙は行われず、次回選挙は任期満了となる２０２３年４月の予定。健太郎さんは既成の組織や考え方にとらわれず、自分のやりたい道を突き詰めた父の生き方を尊敬し選挙も手伝ってきた経験があり、将来の目黒区政進出も視野に入れる。　健太郎さんはこの日、サンケイスポーツの取材に立候補の明言は避けたが、「父のように区政の間違っていることを正そうという姿勢を、自分も貫き通すことができるかどうかが問題。これからじっくり考えます」と改めて前向きな姿勢を示した。