【写真】ネイビージャケットにダメージデニム、茶色のブーツを合わせた森山直太朗の全身姿 同作で、主人公・古山裕一(窪田正孝=32才)の小学校時代の恩師・藤堂先生を演じてきた森山。裕一が人気作曲家に育った太平洋戦争時に、ビルマ(現ミャンマー)に出兵。戦地を慰問した裕一と感動の再会を果たすも、その目の前で銃弾に倒れるという回だった。
あるNHK関係者は「この回では、GReeeeNの主題歌『星影のエール』は流されず、ジャングルの戦地で、藤堂先生が裕一作曲の『ビルマ派遣軍の歌』を歌うシーンで幕を開けました。その十数分後に先生が教え子の腕の中で戦死という、朝ドラ史上最も過酷な放送回となりました」と解説した。
59年間で通算102作品の朝ドラ史上、ここまで戦争シーンをリアルに描写したのは初めて。チーフ演出の吉田照幸監督(50才)は、スポーツニッポンの取材に「朝の食卓に届けるドラマなので、戦場をどこまで描くかについては躊躇や迷いもありました。覚悟を持ってやりました」と説明した。
結果、放送終了直後からSNS上では「#エール」と「#藤堂先生」がトレンド入り。「朝から号泣」「今から仕事なのに目が腫れてヤバイ」「つらすぎて絶句した」「戦争は絶対あかん!」と、滝のようにコメントが流れた。「藤堂先生ロス」とその悲劇的な結末に、日本中が揺れた朝となった。 そんな歴史的名シーンが生まれたのも、今作が本格的な俳優デビューの森山の演技力があったからだ。NHK関係者によると、藤堂先生の出征シーンは当初予定になかったが、その演技力に現場のスタッフが惹きつけられたことから盛り込まれたものだという。
「ドラマの現場は異国を旅するのと同じくらい新鮮でした」と同紙のインタビューで話す森山も、その初体験が自らを新境地に導くと実感している。
「僕は今、44歳なんですが、この年齢になって新しい景色に触れることができたということが、自分の創作や表現にどれだけの影響を及ぼすか。それは自分の経験上、分かっています」
もちろん、音楽活動がメインであり続けるが、「また良いご縁があれば」「俳優業と言えるほどのものはないですが、これからも表現者として成長していければと思います」とコメントした。
ある映画制作関係者は「今月の朝ドラは、多くの業界関係者に注目されましたが、中でも森山さんの芝居と存在感は格別でした。しかも、ご本人も演技に充実感を得たと知り、早くも多くのプロデューサーが出演オファーを検討し始めています。もうオファーを出したところもあるのでは」と、興奮交じりに明かした。
今、業界内外で最注目の森山を、10月上旬の深夜のラジオ出演帰りでキャッチ。おしゃれなダメージジーンズに紺のジャケットを羽織り、颯爽と帰宅していった。
再会は次回作? オンラインライブ? もしかしたら大みそかのNHK紅白歌合戦かもしれない。いずれにしても楽しみだ。