新型コロナウイルス患者と医師や看護師が近い距離で接する病室では、患者のせきや会話で出るしぶきが目や鼻の粘膜に付く「飛沫感染」が感染経路の60~86%を占めるとのシミュレーション結果を、近畿大の東賢一准教授(衛生学)らが21日までに、国際科学誌エンバイロメント・インターナショナルに発表した。
医療従事者がフェースシールドを着けると感染の可能性は2~3%に、医療用の不織布マスクだけだと36~37%に減った。併用なら0・1%未満に低下、患者もマスクを着けると0・01%未満になり、換気を毎時2回から6回に増やすとリスクはさらに半分になった。
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東さんは「飲食店での接客や介護など、人と人が近づかざるを得ない場面でも同様だろう。マスクやフェースシールドなど、個々人の感染対策が重要だ」とした。
東さんらは患者と60センチの距離に近づくことを想定し、接触時間が1日計20~60分など条件を変更しながらコンピューター上で10万回実験。さまざまな感染経路が感染に関与する度合いを調べた。