【若狭勝弁護士の見解】日本の主権をないがしろに…国としても深刻な問題

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【若狭勝弁護士の見解】日本の主権をないがしろに…国としても深刻な問題
 会社法違反罪などで起訴され保釈中の前日産自動車会長、カルロス・ゴーン被告(65)が日本を出国し、国籍があるレバノンの首都ベイルートに到着したと、複数の欧米メディアが30日(日本時間31日)、報じた。同被告は米国の代理人を通じて声明を発表し「私は今レバノンにいる」と明言した。今年4月に初公判を控え、海外渡航禁止の条件で保釈されていながら無断出国、前代未聞の海外逃亡を敢行した。 大胆かつ挑戦的な行動だ。一審の地方裁判所においては、法律上、被告人が出廷しないと刑事裁判を開くことができない。ゴーン被告が出廷しなければ、開かれないまま10年、20年と何も動かずに推移していくだろう。 刑事司法権というのは統治権のひとつ。日本の裁判を受けるつもりはないということなら、日本の主権がないがしろにされ、侵害される。国としても深刻な問題だ。国際問題に発展する可能性もある。 レバノンの警察が彼を捕まえることも期待できない。本来は外国人であれ日本人であれ、保釈の問題にダブルスタンダードがあってはならない。裁判所も、外国人で日本にベースがなければ外国に行きやすいという実情に着目し、保釈の判断をしなければならないと思う。 (元東京地検特捜部副部長)
[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 【若狭勝弁護士の見解】日本の主権をないがしろに…国としても深刻な問題